入れ歯（義歯）

入れ歯の「メリット」を実感できるように

「金属の留め具が目立って気になる…」
「噛むと痛くて食事が楽しめない…」
「人前で入れ歯が外れてしまったことがある…」

入れ歯をお使いの方からこうした相談をよく受けます。
本来、入れ歯というのは、様々なお口の状態に対応できる非常に優れた治療法です。しかし、このようなお悩みを持つ患者さんは多く、実に1000万人以上の方が入れ歯で困っていらっしゃるというデータもあるほどです。

合わない入れ歯を使い続けると、顎の骨が急速に減っていきます。そうなると、余計に入れ歯が合わなくなり、さらにまた顎の骨が減っていく…という負のスパイラルが始まります。こうした合わない入れ歯を使用されている患者さんの多くは

「入れ歯は噛めないもの」
「歯を失ってしまったのだから、仕方のないこと」

など、諦めてしまっています。

しかし、これは非常にもったいないことです。なぜなら、歯科医療は日進月歩の世界です。
技術の進歩に加えて、歯科医師、歯科技工所の努力次第では、患者さんにぴったりと合う入れ歯を作ることができるからです。当院では「痛くない／しっかり噛める／外れない」、患者さんが笑顔になれる入れ歯治療を行っています。

あなたに「最適」な入れ歯を選べます

入れ歯の種類は多く、一つ一つに特徴があります。
患者さんのご要望に応えるため、目的や予算に応じて最適な入れ歯をご提案しています。

当院で使用しているのは、「ノンクラスプデンチャー（バルプラスト）」「ノンクラスプデンチャー＋シリコン」「磁性アタッチメント義歯」「金属床」です。それぞれご紹介します。

バルプラスト

歯の付け根部分にうまくはまり込み、密着度が高い入れ歯です。ナイロンに近い素材なので割れるリスクがありません。
また、金属のバネがない（ノンクラスプ）ため、入れ歯だと分かりにくく、バネの力で歯を痛めないというメリットもあります。

ノンクラスプデンチャー＋シリコン

「ノンクラスプデンチャー＋シリコン」とは、ノンクラスプデンチャーの裏側にシリコンを貼り付けたものです。
シリコンは、ゴムのように柔らかく弾力のある素材です。これをオプションとしてつけることで次のようなメリットが生まれます。

• 歯茎が痛みにくい
• シリコンが痛みを軽減し、硬いものでも噛むことができる
• シリコンの吸着性により外れにくい

入れ歯にありがちな「痛い／外れる／噛めない」をカバーしたオプションになります。

磁性アタッチメント義歯

磁石の力を利用した治療法です。お口に残っている歯根に金属を装着し、入れ歯に設置した磁石と吸着させ、入れ歯を固定します。構造上、金属のバネが不必要なため目立つことも、異物感もほとんどありません。さらに、取り外しが可能なため、日ごろのケアも非常に簡単です。
また、外科処置は不要です。

金属床義歯

コバルトクロム素材を使った入れ歯（金属床）です。これらの素材は、保険適用の入れ歯と比べて、「薄い」「軽い」「壊れにくい」「飲食物の温度を感じやすい」といったメリットがあります。保険適用の入れ歯との比較は次の通りです。

比較1「軽い」素材で作る

保険適用の入れ歯は重く、「噛む」という動作に負担をかけてしまいます。 しかし、金属床義歯で使用する材料は、保険の材料の約1/4のものを使用します。

比較2「薄い」材料で作る

あまり意識されることはないかもしれませんが、お口の中は非常に敏感です。例えば、髪の毛一本が入るだけで、その違和感に気づかれる方は多いと思います。そのため、金属床義歯で使用する材料は、保険のものと比べて約1/6の厚さの「薄い材料」を使用します。

比較3食べ物の「温度」を感じやすい材料で作る

保険の入れ歯は、「温かい」「冷たい」といった食べ物の温度を感じにくいです。食べ物の温度は味覚にも大きな影響を与えます。よく、入れ歯にして食事が美味しくないと言われるの理由の一つがこれです。そこで金属床義歯では、食べ物の温度を感じやすい材料（熱伝導率の高いもの）を使用します。

比較4他の健康な歯に負担をかけない

保険の入れ歯には「たわみ」があります。そのため、咀嚼することで、入れ歯がたわみ、入れ歯をひっかけている歯に力が加わり、その歯も痛めてしまいます。
しかし、金属床義歯はたわみがほとんどありません。バネをひっかけている歯への負担も軽減できます。

当院の入れ歯作りへの「こだわり」：1つ1つの工程を丁寧に

入れ歯がフィットしない原因の多くは、1つ1つの製作工程を大切にしていないことに原因があります。

基本に忠実に、丁寧に取り組む。

当たり前のことですが、こうすることで、患者さんにピッタリの入れ歯を作ることができます。当院で実施している取り組みの一部を紹介します。

「シリコン印象材」の利用

お口の型を取る材料を印象材と言います。通常はアルジネートと呼ばれる材料を使用しますが、当院ではより精密な型を取ることができるシリコン印象材を利用しています。

「個人トレー」の活用

当然ながら、患者さんのお口はお一人おひとり異なります。そのため、規定の定められたトレーでは精密な型取りはできません。患者さんオリジナルのトレーを一から作成することで、精密な型取りを行っています。

「咬合圧印象」で精密さを追求

入れ歯で大切なのはしっかり「噛める」ことです。
そのためには、食べ物を噛むときの圧力のかかり方まで把握しなければ、しっかり噛める入れ歯を作ることはできません。

当院では、「咬合圧印象（こうごうあついんしょう）」という型取りを行い、食べ物を噛んだ時にそれぞれの歯にどのくらいの圧力がかかっているのかを調べます。この検査は、歯のない状態の歯茎にかかる圧力も把握できるため、実際に入れ歯を装着した時のお口の状態を予測することが可能です。

「歯科技工士」との連携

入れ歯を実際に作るのは歯科技工士です。 良い入れ歯作りには、歯科医師と歯科技工士双方の、技術、経験、知識が重要になります。当院では、信頼できる歯科技工士と連携することで、高精度の入れ歯を提供しています。

また、患者さんのご要望やお悩みを直接歯科技工士が伺う「立ち合い」も行っています。通常、歯科医院と歯科技工所は離れた場所にあるため、立ち合いを行うことはありませんが、当院では可能な限り患者さんのご希望に沿った入れ歯を作るために、この立ち合いを行うことがあります。